大人のADHDの病院選びで焦ったら失敗した【2017年・東京】
ADHDの疑いを持ったら、専門のお医者様に診ていただきたいですよね。
ところでADHDの診断をしてもらうには、ただ「ADHDについても診てますよ」、というだけの病院では不十分なことはご存知ですか?
この記事は、以下のような方に参考にしていただくために書いています。
- ADHDのようだが、どの病院を選べばいいのか分からない
- 病院に行こうと思っているが、初診時の注意点があれば知りたい
私は、SEとして新卒で入社した会社でADHD傾向によりミスを連発し、職場に馴染めず自己都合退職に至りました。そして退職を機に、医療機関での受診を考えるようになりました。
発達障害の専門家ではありませんが、自分自身が患者として最初に診察してもらう病院を間違え、余計なお金を使ってしまったと感じているため、同じような間違いをしてしまう人が一人でも減るようにこの記事を書いています。
なお、どうして私が「病院を間違えた」ことに気づいたのかというと、公共の機関の発達障害の支援を専門に行っている相談員の方が、「その病院では診断がおりない」と直接教えてくださったからです。
この記事は、専門の相談員の方が教えてくださった知識を元に構成されています。ぜひ最後までお付き合いください。
目次
ADHD診察のための病院の選び方
ネットで検索をすると、都内では数多くの病院がADHDの患者さんを受け入れていることが分かります。しかし、「受け入れている」からといってどこでもいいのかというと、それは誤りです。
その病院、ADHD診断の実績持ってる?
ADHDの疑いを持ち、病院にかかるのであれば、最後まで面倒をみてくれる病院がいいですよね。
どういうことかというと、ADHDについて詳しいお医者さんがいないと、
「あなたはADHDの傾向がありますね。」
と言われるだけで、確定診断まではしていただけないんです。
詳しいことが知りたくて病院に行くのに、ぼんやりとしたところまでしか分からないのは私にとっては意味がありませんでした。
では、どの病院にかかればいいのか?
以下のリンクは、当事者が情報をまとめているサイトですから信頼できそうです。
私は上記リンクのページの中でも特に、1.大人(成人)発達障害相談、確定診断(手帳申請など)の実績ありの病院をおすすめします。「2.」の中にある病院を選んだ後で、相談員さんから「その病院は診断おりないよ〜」と言われ、愕然としたからです。
また、就労支援を行っている公的機関(ハローワーク)にも、発達障害の若者の面倒を見てくれる人がいますので、失業中の方は実際に相談してみてください。
私は、ADHDの診断がおりる病院の一覧を印刷して渡していただけました。上記ページにリンクが載っていた資料です。
ネット上の他のページに書いてある情報よりも、ずっと詳しいです。ぜひ参考にしてください。
確信がなくても、専門的な病院を選ぶべき理由
ADHDの疑いを持って診断を受けても、厳しい病院では確定診断を受けるのは10人に1人と言われています。
「自分は小さい頃から目立った症状があるわけではないし、ADHDの傾向があるだけで確定診断まではされなそうだから適当な病院でもいいかな」とお思いの方もいるでしょうか。私は、少しそう思っていました。
しかし、日常生活で何か実際に困っているからこそ、病院に行こうと思ったはずです。なら、あなたがADHDの「傾向がある」だけの人だったとしても、少しでも専門性の高い病院に通って自分の性質を正しく理解し、改善の道を探るのは今後に大いに役立つはずです。
ADHDの診断は非常に難しく、何ヶ月もの時間がかかると言われています。私が病院を変えることを決断した理由は、それほど難しい診断を専門のお医者さんがいない病院に任せても、結局満足のいく結果が得られず、中途半端に「傾向がある」ことだけ分かって終わってしまう可能性が大きいと考えたためでした。
したがって、「自分はもしかしたら違うかも」とうっすら思っている場合にも、ADHDを得意としていない病院にかかるよりは、自分のADHD傾向について詳細に知り、じっくり今後の対策を練ることのできる「確定診断の実績がある病院」を初めから選ぶのが得策であると言えるでしょう。
最初から自分に合った病院を選ぶことができれば、初診料などのお金や、通う時間を節約することができます。
ただし、大学病院は敷居高いかも
ADHDで検索すると結構上位に表示されるのがこちらの大学病院です。
よく読むと、予約開始から2時間で枠が埋まってしまうそうです。
このように、有名な先生がいる大学病院は信頼性抜群ですが、その分人気も凄まじく、予約がとりづらくなっています。
強いこだわりがなければ、有名な大学病院よりも、その他の診療所に電話をしてみるのがよいでしょう。
いざ診察へ!その前に
私が初めて精神科・心療内科にかかって驚いたこと、後悔したことがあるため、それについてもご紹介します。
当日予約は基本、できない
都内のそれらしき病院にあちこち電話をかけてみましたが、発達障害の受付はどこも賑わっているようで、基本的に初診は電話から1週間程度後となるようでした。また、本格的な検査ともなれば、3〜4か月後になる、とまで言われてしまいました。
内科や歯医者などおなじみの病院であれば当日でも大体見てもらえますが、人気の(?)発達障害の分野ではそうもいかないようです。診察を受けようかな?と思い立ったら、早めの予約をおすすめします。
当日予約ができるところは、本当に診断出せるほど詳しい病院か、忘れずに調べてみてくださいね。
基本、患者が喋らないと汲み取ってもらえない
精神科や心療内科でなければ、医者の方から「オナカが痛いならアレかな?ソレかな?」ということでどんどん質問を投げられて、こちらは受身でも病名を言い当ててもらえます。
しかし、精神科や心療内科では、症状や困りごとが多様なので、「自分が何に困っているのか?」「何を聞いておきたいのか?」あらかじめよく自分で考えておき、自分から話せないと診察が消化不良で終わってしまいます。
「本当はあれを聞きたかったなあ」「もっと困ることあったなあ」とあとで後悔しないためにも、あらかじめ一番相談したいこと、困っていることを整理しておくと、病院代の元がとれるはずですよ。
今更だけど学生のときに行っておけばよかった
社会人になるとまず時間がありませんので、平日には病院にかかれません。(探せば夜までやっている心療内科はありますが、いかんせん枠が少ない。)
ADHDの診断には時間がかかるため、時間の融通が聞く学生のうちに白黒ハッキリさせておけばよかった、と後悔しています。
なお、私のように受診を思いたつのが転職のタイミングでは、保険証がいったん会社に没収されるので、医者にかかりづらいままです。(国民健康保険にスグ入り直せるなら問題ありませんが。)
そしてなにより、学生のうちにADHDの性質が明らかになっていれば、それを元に就職先を考えることができ、ミスマッチを防げたかもしれない、と思っています。
私は、「頭が多動」なタイプなので、じっと座って事務職のような仕事をする職場にどうも馴染めませんでした。
自分が「何か違う」ことは分かっていたのだから、もっと早く行動を起こすべきでした。
おわりに
すみません、自分のAD的な特性により集中力が限界みたいです。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
「自分は障害みたいだ」というと、あなたを心配している周りの人は「そんなことない」と否定するかもしれません。
それもある種の優しさかもしれません。しかし、あなたの生きづらさはあなたのものです。
外野はあなたの仕事を代わってくれません。
「本物のADHDか」「ただ怠けているだけなのか」そんなのは一旦脇においてください。
辛いとき、「自分ではどうにもならない」と感じたとき、他の誰かに相談するのは「正しいこと」です。
それが誰かから見て、「正解」であろうと、「間違い」であろうと、あなたの気持ちが少しでも軽くなるのなら、他でもないあなた自身にとって「大正解」となるのです。
私は、相談員の方や、心療内科のお医者様、カウンセラーの方に話を聞いていただいて、自分を認めてもらえる場所が増え、すごく安心しました。
どのような病名であろうと、名前がつかなかろうと、あなたの辛さには、あなたのための対処法が存在するのです。そしてあなたをサポートしてくれる人が、この社会には存在します。
楽しく生きましょう。
追記:こんな記事も書きました。
発達障害っぽい女(24)だけどSE辞めてハローワークに行ってみた1〜カード発行編〜